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国際光年と科学体験フェスティバル in 徳島
第19回科学体験フェスティバル in 徳島
実行委員長 河 村 保 彦
(徳島大学工学部長)
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皆さんは「国際光年(光と光技術の国際年:IYL2015)」をご存知でしょうか? 第68会期国際連合総会(2013年12月20日,パリ)において今年2015年を光と光技術の国際年(IYL2015)とすることが世界35カ国の共同発起で採択されました。IYLはInternational Year of Lightという英語の頭文字からきています。これは,光技術がいかに環境をこわすことのない開発を進め,エネルギー,教育,農業,通信,健康などの分野における世界的な取り組みに対して解決策を提供しているか,そのことについて知識を高めるために宣言されました。ご興味をお持ちの皆さんは,IYL2015のホームページをご覧下さい。
さて,光はとても身近ですが,改めて考えてみればとても不思議な現象です。光とは一体何なのか,どのようにして光は生まれ私たちの役に立ち消えて行くのか,わからないことばかりです。ただ,ホタルの美しい光や天空の星のまたたきを楽しんだり,さんさんと降り注ぐ太陽の光の下,海岸やプールで遊んだ経験は皆さん誰しもあるのではないでしょうか。光はそもそも太古の昔から私たちの生活と切っても切れない関係にあり,地球上のあらゆる命を育んできました。そうした神秘的なものとしてとらえられてきた光ですが,20世紀に入って光そのものに対する科学的な理解が格段に進むとともに,それがさらにワクワクする新たな科学を産み出してきました。ついには,レーザー光線の発振を実現し,電気を流すと様々な色の光を出す不思議な「石コロ」─発光ダイオード(LED)─も発明されました。特に青い色のLEDを創ることは困難を極めましたが,その発明と実用化で昨年12 月に赤崎勇先生,天野浩先生,中村修二
先生の3名の日本人科学者がノーベル物理学賞に輝かれました。それらの先生方のうち中村先生は徳島大学工学部の卒業生です。さらに,本県阿南市の日亜化学工業(株)の会長さん,社長さんをはじめとします経営者の方々並びに多くの技術者の方々は自然光に近い白色光を出すLEDまで実用化され,私たちの生活は大いに変わりつつあります。
国際光年という輝かしい年に,LED の発明・実用化を通じて,奇しくも我が国の科学と科学技術が世界に大きくクローズアップされました。現代を生きる私たちは,あらゆる便利なものに取り囲まれ,あたかもそれらがあることがあたりまえになってしまっています。LEDもその例外ではないでしょう。でも,それらのふしぎに改めて目を向けてみることも良いことではないでしょうか。
今年の「科学体験フェスティバル in 徳島」のメインテーマは,「ミラクルワールド」です。自然は“奇跡と驚異” ─「ミラクル」に満ちています。ご参加の皆さん,ぜひそれぞれの展示ブースでミラクルを感じていただき,皆さんの頭と心で創造の翼を拡げ自由自在にそれを私たちの役に立つ形に展開してみて下さい。
この科学体験フェスティバルは,徳島大学工学部と(株)阿波銀行,四国電力(株)徳島支店が,数多くの教育団体,学会,経済団体,企業等のご協力により開催している徳島の夏の科学の一大イベ ントです。関係各位のご協力に敬意を表し,心より厚くお礼申し上げます。ご家族の方,お友達と一緒に,皆さんに存分に楽しんでいただけますよう期待致しております。 |
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